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おはようございます。ウィッキーさんです (ウソ)。笑瓶ちゃんじゃないので、間違わないように。
関東で、「すげー」とか「はえー」とか使いますよね。「すごい」、「はやい」の変化したものですね(なに音便というのでしょうか)。もしかしたら、もう関東だけの方言ではなく、全国的に使うのかもしれません。
基本的には、以下のような変化が生じています。
ai → ee: 「はえー」、「でけー」など
oi → ee: 「すげー」、「おもしれー」など
こんなのもあるようですね。
ui → ii: 「さみー (寒い)」、「だりー (だるい)」など
「おおきい」とか「美しい」は変化しないようなので、イ段にはおきないようです (エ段の形容詞はもともとないような気がしますが、私がしらないだけ?)。
ところで、以前マンガをみていたら、「ちげーよ」という表現が出ていました。文脈からいうと「違うよ」がなまったもののようでした。とすると、
au → ee
という変化が起きていることになります。また動詞にもこの変化が起きていることになります。すごく違和感がありました。
あとになって、井上 史雄の「日本語ウォッチング」という本を買いました。ここで初めて「違かった」、「違くて」という表現が出てきていることを知りました。井上はこれらの表現があるのを知った上で、形容詞的活用をしていると認識しました。そうすると、終止/連体形にあたる「違い」という表現がないことに気が付きます。しかし、それは「ちげー (よ)」という表現で曲がりなりにも完成することになります。
井上は、歴史、年齢、地域の面から言語の使用のデータを収集し、分析しています。この「違かった」、「違くて」は30歳代以下の人には使われるようになっているそうです (慌てて使いださないように)。注意して聞いていると確かに30歳前後で使っている人を複数みかけるようになりました。
[訂正: 間違って記憶していました。正確には東京とその周辺では1965年以降の生まれの人で50%近くの人が使っている、でした。その上も25%位の人が使っています。地域でいうと根岸(横浜の?)では80%くらいの人が使っています。こういう調査結果が色々載ってる本なんですわ。]
日本語ウォッチング
井上 史雄 / 岩波書店
スコア選択: ★★★
この本のユニークなところは、言語の使用のされかたをそのまま受け入れ、自分からは規範的な側面からの評価をいっさいしていないことです。井上が言っているのは、シチュエーションにより適切でない表現はあるので、その点は意識して使った方が良いというアドバイスだけです。例えば、「ら抜き言葉 (= 一段動詞の可能動詞化)」はフォーマルな場面ではほとんど使われていない、そういう場面では使うものではないと認識されていることを統計的に示して、使う場面は考慮すべきとしています。
私にはちょっとまねが出来ません。言葉は生きているものとはいいつつ、規範から外れている文章をみるとついつい何かいいたくなる。
たとえ国語審議会が許しても、このuedaが許しません。
rakurakuonsen の投稿:
>たとえ国語審議会が許しても、このuedaが許しません。
uedaさん、カッコイイなぁ!
僕も規範から外れている表現には違和感を感じています。やたらと「○○のほう」を連発する言い方、「こちらでよろしかったでしょうか」、「1,000円 から お預かりします」などなど、あと一歩で「違うだろ〜」と言ってしまいたくなります。ていねいな言い回しが正しく出来ないここと、言葉遣いが(感覚的に)下品になることは、きっと何か関係があるように思います。コミュニケーションのあり方がある世代で変ってしまったんですかねぇ・・・
jinsei1 の投稿:
uedaさんonsenさん(こうして繋げると有名温泉)
ケイタイが大いに作用してる気がするのですが。会話は身振り手振り雰囲気抜き。(最もテレビ電話がソロソロ出回る様ですが)メールにいたっては、オヤであります。ケイタイ出だしの頃の通信料の高かったのが、オカネ節約の為の省時間、言葉の省略へと。その上、本読まないものねぇ。
cosicosi3 の投稿:
同感です。私も許しません。変なものは変です。rakurakuonsenさんの御指摘されてる点も、いつも気になります。どうして「1000円お預かりします」って言えないんだろうと思います。「全然元気〜」も耳が痒くなります。「全然」は否定文に使う言葉やろ、と心の中で指摘しています。
けど、若者と呼べない人達もこの表現は使ってますね。最近の日本語って、超乱れてるって感じ(語尾を上げる)。違げくない?ということで、リンクはらせて頂きましたです。
yoshihiroueda の投稿:
★rakurakuonsenさん、
> カッコイイなぁ!
しまったー。また使い方間違えました。ほんとは、「XXXが許すわけないでしょ」と突っ込みをいれてもらうための「間抜けな決めゼリフ」のつもりだったんですが。
閑話休題。
コミュニケーションが成立すればいいでしょ、って考えはあると思いますが、その際に人に与える印象、信頼感、親近感などを大事にしたいと考えています。服装が、寒さから守ったり見せちゃいけないところを隠したりするだけでなく、着ている人の価値観や姿勢も示すのと同様と考えています。私のブログでは、記事に応じて、わざと文体を変えたりしていますが、間違ったとらえ方がされないようにという点は気をつけているつもりです。でもまだまだ修行が足りないと思いますが。
yoshihiroueda の投稿:
★jinsei1さん、
コミュニケーションにケータイの影響はあると思いますが、みんなあんまり簡潔に短く言おうとはしていないような…
ただ、いつでも補足できるので、いい加減な情報の伝え方でもいいみたいですね。待ち合わせも「渋谷で6時ごろ」で、実際に会う時間に細かいことを伝えるという。そういう面できっちり話さなければならないという意識が希薄になるのかもしれません。いつかケータイの影響を考えてまとめてみたいですね (というと宿題がひとつ増えちゃいますが)。
yoshihiroueda の投稿:
★cosicosi3さん、
コメントありがとうございます。
> 若者と呼べない人達も…
最初面白い表現と思ってわざと使っていても、そのうち意識せず出ちゃったりして自分で愕然としたりすることがあります。実は私も「全然すごい」って言ってて、なかなか戻らなかったことがあります。「すっごい広い…」とかは言わないようにしていますが、ついつい影響されて出ちゃうこともある。怖いですね。
良く考えたら、以下の記事のコメントでも同じこと書いていました。
http://ryokan.exblog.jp/779853/
それから、蟹!
これにはちょっと悲しい思い出が… ってたいそうなことではないですが、またどこかで書きたいと思います(ってまた宿題が…)。
jinsei1 の投稿:
uedaさん宿題にして頂きかたじけない。ご答案がとても楽しみです。
で、もしお疲れになりましたら、これにお掛け下さい。(トラバ)いやぁ、失礼!猿ではない!御尤も、笑って許して
<(_ _)>。
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