やっぱり民進党に期待するしか

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参議院選挙から一週間、

国会で改憲勢力が2/3を超えても国民投票があるじゃないかと言うけど …

で書いた最初のステップ「改憲ライン 2/3 」は直前の予想通りクリアしてしまいました。次のステップは「国会での改憲の議論」です。

私は、

改憲の議論をすることは、本来ならば民主主義だから大いにやってよというところだが、こんな党利党略で決まる姿なんか見たくないんだよ。

と書きましたが、せめて「党利党略で決まる」のは避けてもらいたいです。

そのためには、野党が正々堂々と議論を受けて立つことが必要でしょう。首相は「選挙の結果を受け、どの条文を変えていくか議論を進めていきたい」(毎日新聞 2016/07/20 憲法改正: ネット党首討論 次期国会で議論 首相、参院選争点にせず  (魚拓)) と言っていましたが、そんな相手の土俵に乗ってはいけません。

岡田さんは、「条件付き」と言っていますが、条文での議論をやるというのは相手の土俵に乗っていることに変わりありません。

民進代表、改憲論議条件付き容認 9条以外で (共同通信 47NEWS 2016/7/14)

「9条以外で」と言っていますが、9条以外はもっと酷いものだというのを認識しているのでしょうか。自民党改憲案の基本は、権力者を縛るものという普通の憲法の位置付けではなく国民を縛るものになっている点、基本的人権に関しては人権天賦説を否定している点 (片山さつき氏「天賦人権論をとるのは止めよう、というのが私たちの基本的考え方です」)、実際の条文でも第13 条などで「公共の福祉に反しない限り」が「公益及び公の秩序に反しない限り」に変更され、容易に法律により制約が加えられる余地を含ませた点など、問題が多いものになっています。

岡田代表が条件としてすべきは「条文の議論を行う前に『憲法とは何か/憲法の意味』を議論しましょう」ということでしょう。

  • 世界史的背景を踏まえ、憲法とは権力者を縛るものという共通の認識を教える。
  • 憲法で謳いたい国のビジョンを明らかにする。人権について語るなら、それが天賦のものであって侵すことのできないものであるという認識を明確にする。
  • 現在の日本国憲法にある「公共の福祉」の意味を教える。

そもそも選挙前から選挙期間中にできたはずですが、岡田さんは戦いに向いた人ではないのかもしれません。民進党の中にも山尾志桜里さんのように論の立つ人がいますから、そういう人を前面に立てると良いと思います。代表を出す必要も出てくるでしょうから、以前にも書いたことがありますが (「この際民主党代表は …」)、蓮舫氏を代表に立てた方が良いと思います。これは次の衆議院総選挙に向けての布石でもあります。

ここでは民進党のことだけを書きましたが、もちろん共産党他護憲勢力協調して進めるべきものと思います。ある党が出した議論での自民党の答弁の綻びを、別の党が突く。

そしてその議論を整理してわかりやすく国民に伝える。(後に述べる影の官房長官が) 毎日記者会見を開いても良いと思います。

最終的には強行採決で押し切られるかもしれません。しかし、この議論を整理したものをベースに改憲案の問題を国民に訴えていけば、第3ステップの国民投票で阻止することができるでしょう。その前に公明党など改憲派とされる党が、その先の選挙を視野に入れて、脱落するかもしれません。

改憲の阻止だけにとどまるのではなく、集団的自衛権に関する解釈改憲の見直し、「愛国」教育基本法の改正など、これまでに積み上げられてきた数々の戦前回帰的政策をもとに戻すことをやってもらいたいと思います。そのためには、野党共闘で政権を奪取する必要があります。

そのための戦略を立てて総選挙に備えて欲しいと思います。

毎日新聞社説でも厳しい指摘があります。

社説:敗北後の民進党 甘い総括ではいけない – 毎日新聞

 先の参院選で敗北した民進党には今、「善戦できた」といった安堵(あんど)感が広がっているようだ。しかし、それは自らに甘過ぎる見方ではないだろうか。同党は来月上旬に選挙総括をまとめる予定だが、ほっとしているだけでは次の展望は開けない。

選挙中、「旧民主党政権には失望した」「もう政権は任せられない」という有権者の声をどれだけ聞いただろう。党名を変更しても民進党への失望感はあまり変わらなかった。

経済政策など、結局アベノミクスの失敗を訴えるだけで、自らはどうするという対案は示していません。党内で議論を詰め、マニフェストを決め、常に発信していく必要があると思います。

以前も同じようなことを書きました。もう10年以上前だ。

衆院選’05雑感(1) がんばれ民主党

そこで備えが大事なんです。

そしてその備えが「影の内閣」だったはず。「影の内閣」は、政権を取ったらこの布陣でいくということを示している訳ですが、布陣だけでは不十分で、その場合どのような政策を行うかを示さなければいけません。そう、マニフェストですね。マニフェストは選挙前に用意すれば良いものではありません。

政権を取ったらどうするかを常に議論し、腹をくくっておく。
その状況と結果(マニフェスト)を常に発信し、国民に問う。
国政上の課題が起こるたびに、影の大臣は私だったらこうすると発表する。
国会では、議論の分野ごとに影の大臣が質問に立ち、論戦を仕掛ける。
これによって影の大臣を国民に認知されるスターにする。

民主党/民進党の不幸は、この準備がないまま政権を取ってしまったことでしょう。自民党やそのネットサポーターの宣伝もありますが、「何も成し遂げていない、失敗した政権」と国民には記憶されています。今の状況をそのまま続けていては「政権担当能力がない」という評価は変わりません。

しかし、強力なリーダーシップがあれば2年あれば立て直せるのではないでしょうか。党内のぐずぐず燻っている意見の不一致を除き、一貫性のあるマニフェストを作る、影の内閣を作る。2年後は蓮舫代表を前面に立てて戦えると思うのです。

民進党はやっぱりダメなんじゃないかという意見もあるでしょう。でも、私は国民主権の日本を諦めていないのです。共産党が大きく変わることは期待できないので、民進党に期待するしかないと思うのです。

以下の池田信夫氏の意見に同意します。

アゴラ 2016/7/12 無党派の若者はブルー・オーシャン  (池田信夫)

アゴラの夏の合宿で細野豪志氏と議論するのは民進党を応援するためではなく、野党が変わらないと選択肢がなくなり、日本の民主主義が死んでしまうからだ。多くのみなさんの参加をお待ちしています。

リベラルは辛いよ

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他者を批判するものは自らも身綺麗にしておかなければならない。特に政治の場では。そう思ってきた。

政治資金の問題、公職選挙法違反、国民に対するウソ、国会での暴言 … 数々の批難の対象があっても、与党ならば次の問題がでるまでやりすごすことができるし、たとえ辞めざるを得なくなっても次の選挙で通れば「禊は済んだ」とみなされる。一方、追求する側は、小さな瑕疵が自らの追求の武器を鈍らせてしまう。

これは政治家に限らず、SEALDs のような民間の団体でもそう。頑張っているし戦略的にも考えているし、責められる材料となりうる過激派との距離を置いているように見えたが、それでも批難する人たちがいた (何を責めているのか理解できなかったが)。在特会のカウンター団体「しばき隊」も、そのような批判を受けないように意識しているようにみえたが、徹底していなかったのかもしれない。

しかし、身綺麗であること、主張に一貫性があることを求めるのも程度があるように思う。政治において大きな目的のための戦略において、部分的に異なる政策の他党との協働も必要になるだろう。政策立案においても党員内での民主的な合意プロセスが必ずしも通せるわけではない。党員として立候補して通った以上、議会において自由な投票が許されない場合が大部分だ。

こんな記事があった。

web掲示板談話 斎藤美奈子・森達也 第五十二回
件名:都知事選について
投稿者:斎藤美奈子

都知事選で鳥越候補と宇都宮候補を一本化する際に、都知事選に出るという宇都宮氏の自由と権利を、「勝てる」ことを優先し潰したという。

 「Uさん、下りてくれてありがとう。あなたの政策はTさんが受け継ぎます」とかいってる人たちは、「英霊のみなさん、お国のために死んでくれてありがとう。あなたの遺志は私たちが引き継ぎます」といってるのと同じだってことを胸に刻んでほしいよ。

痛烈だ。

 個人の権利をつぶしておいて、都知事選に勝ったところで、何もいいことはない。もうこの人たちに、自民党を攻める資格はない。「民主主義をふみにじるのか」「言論を弾圧するのか」って、もう言えないもんね。自分たちが個人の被選挙権をつぶし、彼に投票する機会を奪い、この経緯に疑問を呈する声にも「黙れ」って、民主主義をふみにじってるのはどっちなの? 自民党の改憲草案だって批判できないじゃん。憲法13条の「個人として尊重される」の文言にもとることをやったんだからさ、自分たちで。

確かにリベラル勢力としては「民主主義をふみにじってる」と言われれば反論し難いかもしれない。

しかし、目的は「勝つ」ことではなく、都民にとってベストである (と思う) 都知事*を選ぶことではないか。その思いは宇都宮氏も同じであろう。たとえ自分がベストだと思っても勝てなければ仕方がない。その次善のために身を引くという決断だったであろう。そこまで含めて自由意志を考えよう。

リベラルは、綱領とかに縛られ保守的になる傾向があるが、国民のために、現実的、戦略的になって良いと思う。

* 鳥越さんがベストかどうかはここでは保留。

ジブリの大博覧会

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こちらも7月6日に行われた内覧会に申し込んで行ったのでした。

ジブリの大博覧会

展覧会名:ジブリの大博覧会 ~ナウシカから最新作「レッドタートル」まで~
開催期間:2016年7月7日(木)~9月11日(日)
営業時間:10:00~22:00(最終入場21:30)
会場:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー内スカイギャラリー
主催:東京シティビュー

今回はブロガー内覧会ではなく一般向けに案内が行っていたようです。また、1名同伴可ということで、カップルや子供連れが多くいました。

ジブリ作品の制作や宣伝に関わる資料が大量に展示されています。そういう意味でよくある原画展とは異なります。

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内覧会ということで一般公開より写真撮影可能な範囲が広くなっているそうですので、上のような写真は今後撮れないかもしれません。ご確認ください。

猫バスのレプリカがありました。実際に入って窓から顔を出して写真がとれます。一組ずつ交代で入っていましたが、本番が始まって入場者が多くなるとそうはいかないかもしれません。

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私は最後のコーナー「空飛ぶ機械」が一番気に入りました。

#ヒルズでジブリ 空を飛ぶ機械。

A video posted by R. Yoshihiro Ueda (@ryokan) on

巨大な模型がプロペラを回しながら降りてきます。これは夜になるとまた違う様相を呈するようです。

奥の方にあるのが、「空飛ぶ機械」の歴史。技術と都市の歴史もあわせて示してあります。戦争との関係の深さがわかります。

会場を出た後は別の階に物販コーナーがあります。内覧会でも結構人がいましたので、一般公開された今は混雑しているのではないかと思います。

まだ時間が早かったので、もう一度六本木クロッシング展を見てから帰りました。

チームラボ新作内覧会 2016/07/14

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チームラボの新作を含む「DMM.プラネッツ Art by teamLab」は、フジテレビの「お台場みんなの夢大陸2016」の出し物の一つとして、7月16日土曜日から公開されます。それに先立ち、プレス内覧会/ブロガー内覧会が7月14日に行われました。

私は20:30の回だったのですが、当日18:00過ぎから降り出した雨が激しく、フジテレビ方向から来たのですが雨を避けるところが途中になく、時間前に入れてもらいました。すでに時間前に来た人は中に入って鑑賞を始めていました。本来はチームラボの猪子さんのトークなどが予定されていたのですが、どういうスケジュールになったのかわからず、聞けなかったのが残念です。また、軽食と飲み物を用意しているという話でしたが、これも早く帰ったため、帰る途中にケータリングの袋を持って会場に向かうスタッフの皆さんとすれ違いました。

雨で来る人も少なかったとは思いますが、早く入れてもらったため、観客が少ない中で鑑賞できたのはアリがたかったと思います。

今回、4つの作品が出ています。

  • やわらかいブラックホール – あなたの身体は空間であり、空間は他者の身体である
  • Wander through the Crystal Universe
  • 人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング – Infinity
  • Floating in the Falling Universe of Flowers

Wander through the Crystal Universe” はポーラ ミュージアム アネックスで昨年行われた “Walk Through the Crystal Universe”の規模を大きくしたものということ以外は予備知識なく行きました。

浅いプールの中を歩いていく作品があるということで、最初に靴と靴下を脱いで預けて、ズボンを捲し上げて行きます。最初に入ったブースが細長い通路に水が張ってあります。そこを通るとタオルを渡され足を拭くように言われます。「これはなんだったんですか」と聞いたら、「足を洗ってもらうため」だそうです。

以下、体験した順に紹介と感想。

▪︎ やわらかいブラックホール – あなたの身体は空間であり、空間は他者の身体である

もこもこの空間。足をとられて、なかなか先に進めません。転がって進んでいる人もいたので真似してみようと思いましたがうまくいきません。出口に待機している係の人が「大股で踏みしめるようにして進んでください」というアドバイスでやっと出口にたどり着きました。

balckhole-DSC_0086

なにこのおじさんトラップと思ったのですが、今日上記の 作品説明を読むと、

人々が作品空間に入ると、空間自体が、人々の身体の重さに影響を受け変化する。そして、人々の身体は、変化する空間に影響を受ける。人々は、互いに作品空間を通して、それぞれの影響を受け合う。
あなたの身体は空間を変化させ、そして、その空間は他者の身体を変化させる。

と書いてあります。フィールドアスレチックのような姿勢で望むのではなく、体を預けゆったりすることが必要だったんですね。

▪︎ Wander through the Crystal Universe

元となったポーラ ミュージアム アネックスの “Walk Through the Crystal Universe” にも行ったのですが、大きくなって迫力が違います。ポーラ ミュージアム アネックスの時は入り口があって出口があるだけだったのですが、様々な分岐がある迷路みたいになっています  (行き止まりはありませんが)。

これも作品説明を読んで初めてわかったのですが、

鑑賞者は自身のスマートフォンを通じて、クリスタルユニバースを構成するエレメントを選び、出現させ、クリスタルユニバースを創っていく。そして、鑑賞者は、作品空間に入り歩きまわることができる。

あらかじめ知っていれば試してみたのですが、その場にも説明がなく (あっても気づかなかった)、体験し損ねたのは残念です。

▪︎ 人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング – Infinity

これは2014年-2015年に行われた「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」で出ていた “花と人、コントロールできないけれども共に生きる、そして永久に – Tokyo” (リンク) と同様のインタラクティブ作品で、人の動きに反応してプロジェクションされる映像が変わります。今回は30cmくらいのプールになっており、鯉と花が投影されます。

#teamlab

A video posted by R. Yoshihiro Ueda (@ryokan) on

▪︎ Floating in the Falling Universe of Flowers

天井と壁全体に投影される花の映像。床に座ったりビーンバッグの上に寝転がって鑑賞します。

#yoshihiroueda@mac.com

A video posted by R. Yoshihiro Ueda (@ryokan) on

もうちょっと明るい場面を撮っておけばよかったですね。

今回内覧会で見ることができたのでゆったり見ることができましたが、「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」の時と同様にだんだん人気が出てきて混雑するようになると思います。早めに行かれた方が良いと思います。

最後にイベントの情報をサイトから引用しておきます。

DMM.プラネッツ Art by teamLab

会期 2016年7月16日(土)~8月31日(水)
会場 お台場・青海周辺エリア(「お台場みんなの夢大陸2016」会場内)
お台場みんなの夢大陸オフィシャルサイト
http://www.odaiba.com
時間 10:00〜18:00
※開催時間は変更になる場合があります
料金 1DAYパスポート 一般2,000円/小中学生1,300円

なお、チームラボは、7月30日から森美術館で開催される「宇宙と芸術展」で、《追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく – Light in Space》を出展します。「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」の時は、“追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして分割された視点 ‒ Light in Dark” でしたので、少し内容は異なるものと思われます。チームラボの中でこれが一番好きな作品です。

国会で改憲勢力が2/3を超えても国民投票があるじゃないかと言うけど …

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… 私はそれが怖い。その前に改憲が議題にあがることから怖い。

改憲が国会で議題にあがるというのは、まずどの条文を変えていくか議論するということだ。

毎日新聞 2016/07/20 憲法改正: ネット党首討論 次期国会で議論 首相、参院選争点にせず  (魚拓)

首相は憲法改正について「選挙の結果を受け、どの条文を変えていくか議論を進めていきたい。次の国会から憲法審査会を動かしていきたい」と述べ、秋の臨時国会を念頭に、与野党の具体的議論に入りたいとの考えを示した。

なにが「選挙の結果を受け」だ。「どの条文を変えていくか」が選挙の結果から分かる訳ではない。ただ改憲の発議ができる2/3を超えるか否かしか気にしていない。

「どの条文を変えていくか」も、その必要性で議論されるのではなく、焦点は「どれが進めやすいか」になるだろう。改憲勢力がどこで折り合いをつけられるか、そしてその後国民投票で通せるかどうかが考慮に入れられるだけ。

「改憲勢力がどこで折り合いをつけられるか」は、結局党利党略だろう。公明党が改憲に賛成しないだろうという見方があるが  (憲法は改正できるの? – アゴラ 2016/07/08、佐々木俊尚氏「参院選の投票先が悩ましいが……とりあえずの結論」)、最後は自民党の言いなりになると思う。今回自民党が単独過半数をとる見込みがあって、そうすると公明党と協力する必要は無くなる。公明党は内閣に入れなくてもいいということだ。改憲に協力することだけが公明党にとって内閣に残る手段。

おおさか維新も、自民党案には賛成しないということだが、同様に大臣の椅子をちらつかせられたら抗い難いのではないか。

改憲の議論をすることは、本来ならば民主主義だから大いにやってよというところだが、こんな党利党略で決まる姿なんか見たくないんだよ。

「国民投票で通せるかどうか」も、「国民に受けれられやすい  = 騙しやすい」という観点になるだろうということが容易に想像でき、腹立たしい。「緊急事態条項」は、一見必要そうに見えるが、本当に必要なのか、そして緊急事態の時に国民の権利がどこまで制限されるのかを考えると、最も危ない条項だと言える。

SEALDs POST の記事から引用する。

旧憲法から日本国憲法への改正を議論していた1946年の帝国議会において、金森国務大臣は、

  1. 国民の権利擁護のためには非常事態に政府の一存で行う措置は極力防止すべきこと、
  2. 非常時に乗じて政府の自由判断が可能な仕組みを残しておくとどれほど精緻な憲法でも破壊される可能性があること、
  3. 憲法上準備されている臨時国会や参議院の緊急 集会(衆議院の解散中に緊急で開催する)で十分であること、
  4. 特殊な事態に対しては平常時から立法等によって対応を定めておくべきこと、

という4つの理由から、明確に緊急事態条項を導入しないことを答弁しています。

特に2 「非常時に乗じて政府の自由判断が可能な仕組みを残しておくとどれほど精緻な憲法でも破壊される可能性があること」は注目に値する。これに対する納得のできる答えが必要だ。「どれほど精緻な憲法でも」と言っているのに対して「この改憲案にはあたらない」と言えるのか。

「緊急事態条項が通ってしまった未来からの伝言」のような事態がただのシミュレーションであって起こり得ないと言えるのか。私は、2013年の麻生副総理の発言を忘れていない。

 「静かにやろうや」ということで、ワイマール憲法はいつの間にか変わっていた。誰も気がつかない間に変わった。あの手口を学んだらどうか。

後に発言自体は撤回したものの、自民党はこの手口 (ナチスの全権委任法) をしっかり学んでいると思われる。

もちろん国民にはそんなことは伝えないだろう。緊急事態が発令されて、いつの間にか色々なものが変わって初めて気付くだろう。

先に「緊急事態条項が入ったら」の予想を書いたが、まだ検討していたのは「どの条文を変えていくか」の提案だ。それが出されて国会の審議が始まる。

この国会の審議も怖いものの一つだ。何が怖いって、また嘘やはぐらかしの答弁を聞かされるということだ。安保法制の時、安倍首相は「しっかり説明する」と言っていたが、説明の内容は個別自衛権で対応できるものであったりして、議論はかみ合わず強行採決に至ってしまったではないか。そんな国会は見たくない。

その間国会のリソースが改憲に集中投入され、経済問題などがないがしろにされることを懸念する声もあるが、私は改憲の議論はあってもいいとは思うが、今の安倍内閣には真摯な議論を求めるのは難しいと思う。

最後の関門は国民投票だ。

国民投票が始まると、国民の中でまっとうな議論ができるのかということだ。改憲に反対する意見は、自民党の別働隊J-NSC  *が全力で叩きに来るのではないか。国民は自分の声をあげにくい状況が出来てくるのではないか。その空気が怖い。民主主義先進国のイギリスでさえ、EU離脱では死者まで出たではないか。

お食事会で飼いならされたマスコミも期待できない。特に停波を盾にしたテレビ局への圧力・恫喝が日常的に起こっているという  (dot.ドット 朝日新聞出版 2016/07/05 この「街の声」を削れ! 放送現場を萎縮させる安倍政権の「行きすぎた口出し」)。

そして投票結果が最も怖い。何が怖いというと国民が考えていないことが白日に晒されないかということだ。下記は高知県の記事だが、高知県民だけが考えていないとはとても言えないだろう。

【参院選 土佐から】改憲への「3分の2」 高知で83%意味知らず|高知新聞

という訳で、国民投票も怖いし、その前の国の空気が変わっていくことも怖いのだ。だから皆さんも、改憲反対勢力への投票をお願いします。

注* J-NSCのメンバーは例えばこんな人  (閲覧注意、吐き気がします)。
愛国を考えるブログ 2016/07/09 「石田純一は都知事選に出るならば自分の子どもを死なせてからにせよ」

「今だからこその江戸美術」受講修了

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日本版MOOC (Massive Open Online Course) のgaccoで、「今だからこその江戸美術 Edo Visual Culture As We Really Should Know It 」 を受けていました。

4週に渡って開講しており、各週に課題があります。いつも締め切りギリギリで提出していました。

最初の3週は4択のテストで、ちゃんと講義を聞いていれば答えられるのがほとんどですが、最終週は400字レポートでした。5つのキーワードを含めて400字にまとめるのは、なかなかしんどい。

レポートの設問は

18世紀英国最大の文化的発明とされるピクチャレスクについて、その出現の経緯から日本への(ありうべき)影響まで、400字以内で概述せよ。ただし次のキーワードを必ず含めること。
1. サブライム
2. 土井 有隣
3. クロード・グラス
4. 横浜絵
5. スコットランド

というもので、「江戸美術」と言いながらヨーロッパの状況を踏まえて回答しなければなくて、なかなか面白いでしょ? 気合入れて書きましたよ。

レポートを提出すると、他の受講者のレポートの採点です。5名の受講者を採点し、良いところ改善すべきところなどコメントも書きます。

せっかくなので、自分が書いたレポートをここであげようかと思いましたが、まだ締め切り前なのでやめておきます。次週加筆します。採点基準も一旦消しました。

 

18歳選挙権

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期待したいけど、期待しすぎちゃいけない。

期待としては、未来を生きる若者だから、未来に向けた選択をするに違いないということがある。私もそれを期待している。そしてTVでインタビューされている若者たちを見ていると、その意識が高いことがわかる。

でもね、20歳だって若者だ。18歳19歳と大きく違うはずがないだろう。20代の投票率は低く、ただでさえ人口が低いのに、これでは老人向けの政策が中心になるのも仕方がないと思える。

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年代別投票率の推移 | 公益財団法人 明るい選挙推進協会 http://www.akaruisenkyo.or.jp/070various/071syugi/693/ より

今は話題になっているし高い投票率が期待できるかもしれないが、2年後はこの20代に吸収されていくのではないか。そして2年後に18歳になる人たちは、今ほど注目されない。

なお、日本政治.com は同じグラフを引用しているが、一方で「世界青年意識調査」から、「若者の政治関心は高まっている」といっている  (2013年07月24日)。関心は高く安保法制デモに参加する人と投票に行かない人の二分化が進んでいるのかもしれない。

彼らの政治的な選択はどうだろう。同じ記事をみると、若い世代で自民党の支持率が高いことがわかる。保育所の待機児童など長年少子化対策が何も進んでいないことや、格差が広がっている実態をみると、決して自民党が若者に向けた政策を進めているとは思えないが、その他の要因が大きいということだろう。投票率33%の53%が自民党支持で、棄権した67%とわせると、実に85%の支持 (消極的支持を含む) を得ていることになる。

私がリベラルな傾向をもつのは、民主主義、基本的人権の重視がいいものだという教育を受けているからという理由が大きい。教育基本法の成立は2006年だ。今年で10年目、当時8歳だった子が、「愛国」を教えられ、今選挙権を得ている。その人たちがどういう投票行動をとるだろうか。

追記: ちょうど関連する記事が出ていた。新有権者を集めてインタビュー。
ダイヤモンド・オンライン 2016/07/09
明日、若者たちは選挙に行くのか?(上)若者たちは一体どのくらい関心があるのか
明日、若者たちは選挙に行くのか?(下)若者が一票を投じたいと思う政策・政党とは
「愛国」教育は影響していないみたいですね。

滲んだ文字 東京ゆき


満島ひかりのカロリーメイトのCMで、中島みゆきの「ファイト」を知った。

これはフルコーラスではないけれど、フルコーラスの歌詞 (うたまっぷ) を見ているとこんな一節があった。

薄情もんが 田舎の町に あと足で砂ばかける って言われてさ
出ていくならお前の 身内も住めんようにしちゃる って言われてさ
うっかり燃やしたことにして やっぱり燃やせんかったこの切符
あんたに送るけん持っとってよ 滲んだ文字 東京ゆき

私が大学に入学した時代はそんなことはなかったし、地方にもよるのだろうけど、昔は田舎から出るってそういうことだったんだろうなと思った。シチュエーションとしては、企業への就職などのように堅い道ではなく、劇団に入るとか専門学校とか夢を追うような場合だろう。結局田舎を捨てきれずに残ってしまったが、夢を捨てざるを得なかったことはずっと後悔している。そして、この切符を送った相手は、今東京に出てきている自分の娘。自分はかなえられなかったけれど、娘にはこの時代に生きている幸せを忘れないでほしい、ということだろうなと思った。

私はそう解釈したのだけど、いろいろな解釈が考えられるんだね。

Yahoo! 知恵袋 「中島みゆきのファイトの歌詞、東京行きの切符の部分はどういうことなのでしょうか?」

将来を誓った彼氏と郷里を離れ東京で生活をしようとしたのでしょう。

それで彼に「あんたに送るけん、持っとってよ」と彼に切符を渡した。
そのうち、きっと東京に行って貴方と暮らすからという積もりで。

Yahoo! 知恵袋 中島みゆきさんの『ファイト!』で、… なぜ滲んでいるのだろう

「うっかり燃やしたことにしてやっぱり燃やせんかったこの切符」という表現から、この人は逡巡しまくった末に「あんたに送る」という決断をしたのかなぁ…と。

こちらも「今東京で待っている人に送る」という解釈なんだな。

私みたいなおじさんは、若い人たちとは想起するイメージが違っても仕方ないか。

歌詞の他の部分を取り上げた記事があった。
Omps! 時代の名曲・中島みゆきの『ファイト』の歌詞に隠された深い意味とは

リーマン・ショック前の状況に似ているのか

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安倍首相が、G7首脳会議で行った「リーマンショック前の状況に似ている」発言の存在自体を否定していて驚いた。

ロイター 2016/05/30 安倍首相が消費増税の2年半延期を表明、自民役員会で異論出ず

また、サミットにおける世界経済議論に関し、安倍首相は「私がリーマンショック前の状況に似ているとの認識を示したとの報道があるが、まったくの誤りである」と発言。「中国など新興国経済をめぐるいくつかの重要な指標で、リーマンショック以来の落ち込みをみせているとの事実を説明した」と述べたという。

元の報道は下記。他のメディアも同じような認識だったと思う。

NHK ニュース 2016/05/26 サミット討議で首相「リーマンショック前と似た状況」

この中で安倍総理大臣は、IMF=国際通貨基金のデータなどを基にまとめた資料を示し、食料や素材など世界の商品価格が2014年以降、およそ55%下落し、2008年のリーマンショックの前後の下落幅と同じになったことや、去年、新興国への資金流入がリーマンショック後に初めてマイナスになったことなどを指摘しました。
そして、安倍総理大臣は「リーマンショック直前に北海道洞爺湖サミットが行われたが、危機の発生を防ぐことができなかった。その轍(てつ)は踏みたくない。世界経済はまさに分岐点にあり、政策的対応を誤ると危機に陥るリスクがあることは認識する必要がある」と述べ、世界経済を回復軌道に戻すため、G7の政策協調を呼びかけました。

朝日新聞 2016/05/28 「リーマン前」に異論 新興国の指標に唐突感

26日午後、世界経済に関する首脳会議で、安倍首相は参考データとして、グラフを交えたA4の紙4枚の資料を配布した。原油など資源価格の推移、新興国の経済指標などを示し、各所に「リーマンショック」という言葉が入り、2008年9月のリーマン・ショック前と、現在がいかに似ているかを強調している。

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さてこのグラフ  (上記朝日新聞から引用) を見ると確かに商品価格がおよそ55%下落しているところは似ているように見える。

しかし考えないといけないのはリーマン・ショックとの因果関係だ。今の状況が新たなリーマン・ショックを引き起こすのか。財政出動がその新たなリーマン・ショックを防ぎ、洞爺湖サミットの轍を踏まずにすむのか。

まず忘れがちなのは「リーマン・ショック」(= リーマン証券の破綻) は2008年経済危機のシンボルではあっても原因ではないことだ。

原因はサブプライムローンの破綻  (Wikipedia によると「ファニーメイ」、「フレディマック」が国有化されたのは2008年9月だがその前から始まっていた) で、金融工学という魔法でリスクを減らして組み込んだ各種金融商品が総崩れになって、株価も大幅下落という状況から、リーマン証券は破綻したのであった。

商品価格の下落も同じように世界経済危機の結果だろう。すなわち、サブプライムローンの破綻に端を発する世界経済危機が原因で、リーマン証券の破綻と商品価格の下落は、どちらもその結果なのである。これは統計でよく見られる過誤の一つだ。

しかし図をまたよく見て欲しい。商品価格の下落は2008年7月から2009年2月までで、リーマン・ショックは2008年9月。「リーマン・ショック前」の状況とは言えず、因果関係に必要な時間関係さえ満たしていないではないか。これはこじつけにもなっていない。各国首脳が「?」となるのも想像できる。

そして現在起こっている  (起こっていた) 商品価格の下落は、朝日新聞にあるようにシェールガスの供給過剰、その前にシェール革命そのものの結果であろう。同じ原因で経済経済危機が引き起こされるとは考え難い  (資源に頼る新興国には辛い状況だろうが)。むしろシェール革命は歓迎されていたではないか。

さて洞爺湖サミットの轍についてだが、行われたのは2008年7月。リーマンショックの原因は米国のサブプライムローンの破綻だとすると、それを予見するのは難しかったかもしれないし、予見されていたとしてもそれは米国の国内問題として取り上げられなかっただろう。

「リーマンショック前の状況に似ている」発言の否定に戻るが、これがロイターによって世界に発信された訳だ。これを聞いた各国首脳はどう思うだろうか。議長国の顔を立てて首脳宣言を出した訳だが、後悔しているだろうと思う。それがなくとも、消費税延期を言いたいがために世界経済危機の認識が持ち出された訳で、「私たちを便利に使ったわね」という感想になるのではないか。私は安倍氏を首相としてもつ状況が日本人として恥ずかしい。

追記: 毎日新聞 2016/06/01 朝刊にリーマン・ペーパーの舞台裏が書かれている。
首相、増税再延期決定(その1) 「リーマン資料」極秘準備 経産主導、財務・外務反発

 「世界の商品価格はリーマン前後の下落幅と同じ」「新興国の投資伸び率はリーマン後より低い水準」−−。現在の新興国の景気減速と2008年のリーマン・ショックを比較する数値が並ぶ資料は、政府関係者らの間で「リーマン・ペーパー」と呼ばれ、首相がサミットで世界経済の「リスク」を強調し、外的要因による増税先送りを主張する補強材料としての役割を果たした。

「私がリーマンショック前の状況に似ているとの認識を示したとの報道があるが、まったくの誤りである」というのは、「書いてあるのを見せただけだもん」ということかもしれない。「TPP断固反対と言ったことはない」というのは、自民党の選挙ポスターに書いてあっただけだったのと同様に。本当に恥ずかしい。

時代の雰囲気


昔NHKで夏目漱石「坊っちゃん」の連続ドラマ化があった。柴俊夫主演。原作に忠実というよりも、「坊っちゃん」の舞台設定を借りて「天下御免」、「天下堂々」の世界を明治に再現したような感じのもの。

その中のエピソードとして、教頭赤シャツが職員会議で「授業に銃剣行進訓練を取り入れよう」という提案をするのがあった。その時は狸校長の反対で否決されるのだが、その後校長が出張時の職員会議で再提案し通ってしまう。他の先生たちは、これからは赤シャツの時代だということを感じ迎合したのだ。再提案されて可決したことを後で知った狸校長の苦々しい表情、そして実際に校庭で行進する無表情の若者たち、その重苦しさが忘れられない。

日清戦争から日露戦争に向かう時代の雰囲気を、TV放映時の日本の雰囲気に重ね合わせ、警鐘を鳴らしているのだと思った。NHKがまだ政府の影響下にない時代。

その時代の雰囲気は、治安維持法や隣組につながり、さらにもの言えぬ時代になっていく。TV放映時はまだそのような空気は私には感じられなかったが、だんだんそれが強くなっていくことを感じる。NHK会長に送り込まれた籾井氏、放送法を盾にとったメディアへの圧力、それに抵抗しないメディア側、記者会見で聞かれる側から提供される質問予定に沿って質問する記者クラブの記者たち …

時代の雰囲気を感じて萎縮しているのはメディアだけではない。自治体や公共施設なども、会場を貸す際、美術展の展示物などで「政治利用」を避ける傾向がある。「市民」からの「ご意見」を避けたいからだ。

一般の人から「政治的」という抗議は、「俺の政治的スタンスと反する」の意だ。ただそのような抗議をする人は、現政府の (本音の) ポリシーと一致している場合に限られる。「反戦」、「護憲」は「政治的」と言われるが、「国を愛そう」だったら彼らは問題にしない。もし「愛国」を政治的と指摘したら「愛国は当然のことだ」というだろう  (BuzzFeed 2016/05/18 「ジョン・レノンのポスターに「政治的」とクレーム 店はどう対応すべきか」)。

「(本音の)」と括弧をつけたのは、政府が「男女共同参画」といっても、本音では「家庭を守ること、子育ては女性の仕事」と考えていると理解していて、上野千鶴子さん講演への抗議は伝統的な女性の規範に反すると考えてのことだろう  (後に講演は行われることになった)。

このような圧力が強くなって、それに屈していると、「最初から言わない」という選択肢をとる場合が増えてくるだろう。残るのは同じ方向を向いた声だけだ。マスコミも市民の声に迎合した記事を書くようになる、その結果は一直線に崖に向かって進み誰も止められない。

… ということを我々は歴史から学んだのではなかったか。

今ならまだ間に合う。そう思っている。

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